国際協力のしごとを目指す人にとって、「修士」を取得していることは、進路選択する上で大きなアドバンテージになります。
なぜなら、国際機関、または開発コンサルタント企業等で専門家として働く場合、応募条件に大学院卒が条件になっていることも少なくないからです。
ここで、迷うのが「国内」か「海外」か?
わたしも大学院進学を本気で考えたとき、同じような悩みを抱えていました。
結局悩みに悩んで、私が選んだのは日本国内の大学院でした。
正直、海外の大学院の方が1年で修了できるし、開発学って言ったらやっぱ海外でしょ?という謎の固定概念があった当時は、本当に「国内」で良かったのか、という思いもありました。
しかし、大学院を修了した今、全く後悔していません。むしろ海外にしなくて良かったとすら思っています。
なぜなら、私が海外よりも国内の大学院に行く3つのメリットがあるからです。それは、
① リアルな国際協力の現場が見られること
② スキルアップの時間が豊富にあること
③ 各国のキーパーソンとのつながりが持てること
です。以下で、詳しく説明していきます。
メリット① リアルな国際協力の現場が見られる
日本の国際協力系のコースを持つ大学院の中には、JICAが実施する本邦研修を受け入れている大学があります。
つまり、大学にいながら実際に国際協力が行われている現場を見て学ぶことが出来ます。
ちなみに私が通っていた大学院は、JICAの国別研修などを年間10件近く受け入れていました。
毎月のように様々な国や地域から来られる研修員と、一緒に研修に参加したり、休み時間に彼らの国の現状などの話を聞いたりろ、本当に毎日が実習のような2年間でした。
また、大学の教授の中には、専門家として途上国で活躍している先生も多くいます。
もし、そのような先生のゼミに入れば、一緒に海外出張についていき、途上国における国際協力の実態も学ぶことが出来ます。
また先生だけでなく、JICAの職員やコンサルタントの方々ともお話する機会が多くあり、自分のキャリア形成についてのアドバイスをたくさんいただきました。
このような経験は、海外の大学院ではできなかったと思います。
メリット② 圧倒的なスキルアップのための時間
2つ目のメリットは、時間です。
日本で大学院に通う場合、多くの海外のそれとは違い、修了に2年かかります。
つまり1年でやるよりも、時間的なゆとりがかなりあります。
私の場合、英語にあまり自信がなかったので、徹底的に英語を学ぶことが出来ました。
英語学びたいなら、海外でよかったのでは?という意見もあるかとは思いますが、
TOEICを受験したり、留学生と仲良くしたり、授業で英語のプレゼンを行ったりと、英語を上達させるための機会は日本にいてもたくさん転がっていました。
私自身、日本にいてもTOEICのスコアは200点以上伸びました。結局、英語が伸びるかどうかは自分次第ということかもしれません。
また、時間があることでインターンに参加したり、検定や資格を取得したりと、自分のスキルアップができることは、就職してからもきっと自分の身を助けます。
メリット③ 各国のキーパーソンとのつながり
3つ目ですが、私はこれが一番のメリットだったと感じています。
それは、途上国からの留学生とのつながりです。
彼らは、基本的に自分の国の政府からの要請で日本に来ている、もしくは国内での選考において勝ち抜いてやってきました。
つまり、その国では「超」がつくほどのエリートです。
そして何より「国のために学ぶ!」という熱意を持っている者ばかりです。
そんな彼らと仲良くなり、その国の政治や教育、文化や考え方などを深く知ることは、本当に貴重な経験になります。
たしかに、海外の大学院にも途上国から来ている留学生は大勢います。それでも私は国内にアドバンテージがあると考えています。
なぜなら、国内ではあなたは、留学生をむかいいれる側の立場として接することになるからです。
あなたには、留学生に大学の仕組みや授業の履修の仕方を教えたり、日本の文化や習慣になれるためにサポートをする機会が豊富にあります。
また、日本が好きでわざわざ日本を選んできている留学生も多く、日本人と仲良くなりたいと思っている人も多いため、すぐに仲良くなれるはずです。
実際、私も世界中、様々な国・地域から来た留学生とたくさん思い出を作りました。
そして、私のいまの夢は、将来彼らの国に行き、彼らとともに働くことです。
彼らは、留学を終え、帰国後は順調にキャリアアップしていくでしょう。
そして私も国際協力の世界で研鑽を積んでいき、いつか一緒に働くことが出来たら、と夢見ています。
さいごに
以上が、私が国内の大学院に入って感じた3つのメリットでした。
もし、「どんな大学院があるのか知りたい!」という方は、こちらの本がおすすめです。
・国際協力キャリアガイド(2019-20)共に創る未来(国際開発ジャーナル社)
今回書いたことは、もしかすると誰にでも当てはまることではないかもしれません。
それでも、あなたの進路決定の参考程度にでもなれば幸いです。
そして、いま国際協力のしごとを目指すあなたとも、いつか一緒に仕事をさせてもらえることを楽しみにしています。