将来国際協力のしごとに就きたい!中でも教育分野に興味があるけど、どんな大学に進学すればよいか分からない。
教師として、日本の学校で子どもたちに国際理解教育をしたいけど、何を勉強すればいいんだろう?
この記事では、このような悩み・疑問を解決します。
答えは、ズバリ「大学院進学」です。
と言っても、国際協力系の大学院はたくさんあるため、どの大学院がどんな専門分野に強いのかを知るのはなかなか難しいですよね?
私も教育を軸にして国際協力を学びたかったのですが、自分が学びたいことにマッチした大学院を探し当てるのに苦労しました。
今回はそのときに調べまくった経験をもとに、国際協力の中でも<教育学>を専門に学べる国内の大学院を紹介していきます。
基本情報、入試情報から個人的なおすすめポイントまで解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
また、国内と海外の大学院で迷っている方は、こちらの記事も参考にどうぞ。
大学院で国際協力を学ぶなら“国内”!筆者が伝えたい3つのメリット
広島大学大学院 人間社会科学研究科
教育科学専攻 国際教育開発プログラム
(※2020年4月のコース改編により旧国際協力研究科から移設)
基本情報
- 途上国・地域における質の高い生涯学習社会の実現やグローバルな観点からの持続的な教育開発の実現を目的とする学び
- 様々なテーマで研究可能
(教育政策、プロジェクト評価、教育人材開発、基礎教育、幼児教育、理数科教育、インクルーシブ教育、言語教育、スポーツ教育学など)
- すべて英語によるプログラム
- 入学料…282,000円、授業料…538,000円(年間)
- 入学料・授業料免除制度あり
入試情報
- 募集定員40名(同プログラムのみ)
- 9月入試と2月入試の2回(ただし、2月は若干名の募集)
- 試験会場は広島大学のみ
- 一般入試と社会人特別入試がある
- 筆記試験(外国語、専門科目)、口述試験、大学の成績を総合的に判断
(社会人特別入試は、研究計画書も含む)
おすすめのポイント
ザンビア特別教育プログラム
大学院に在籍しながら、JICA海外協力隊(青年海外協力隊)としてアフリカのザンビアに派遣され、現地で理数科教師の活動しながら研究も進め、修士号を取得できるプログラム。帰国後の論文作成も含めると3年6カ月のプログラムにはなるが、ザンビアの活動も単位認定される。協力隊にも興味がある人は、両方いっぺんにできるのでおすすめです。ザンビアでの活動の様子はこちらから見れます。
広島大学大学院人間社会科学研究科のページはこちらからどうぞ。
名古屋大学大学院 国際開発研究科
国際開発協力専攻 教育・人材開発プログラム
基本情報
- 発展途上国(以下、途上国)と我が国の開発コミュニティーにおいて教育・人材開発実務に携わる専門家の育成を目的
- 比較教育学、教育社会学などの教育学と、開発経済学、開発政治学、開発社会学、開発人類学などを開発学を学ぶ
- 学生の約半数が留学生
- 全講義を英語で実施
- 入学料…282,000円、授業料…535,800円(年間)
- 授業料免除制度あり
入試情報
- 募集定員38名(同専攻のみ)
- 9月入試と2月入試の2回
- 試験会場は名古屋大学のみ
- 1次試験:論述試験、TOEIC、TOEFL、IELTSのいずれかのスコア提出
2次試験:口頭試験(日本語と英語で実施)
おすすめのポイント
海外実地研修・国内実地研修(フィールドワーク)
約2週間途上国に滞在して計画立案の方法、インタビューの仕方、共同調査における分野間の調整、報告書の作成など様々な開発援助の手法を学ぶことができるフィールドワークのプログラム。毎年20人を超える博士前期課程(修士課程)の学生が参加しているそうです。実践を通した学びによって知識や経験を身につけたい方におすすめです。フィールドワークの様子はこちらから見れます。
名古屋大学大学院国際開発研究科のページはこちらからどうぞ。
鳴門教育大学大学院 学校教育研究科
人間教育専攻 グローバル教育コース
基本情報
- 「世界から学び、世界とともに考え、世界で教える人材」をスローガンに、より実践的な学びを提供し、教育現場と海外で活躍できる専門家の育成を目的
- 国際教育協力分野、英語コミュニケーション・異文化理解分野、日本語教育分野、国際理数科教育分野の4つからなる
- ほとんどの講義を英語で実施
- 途上国の教員研修を実施、現在まで62カ国1,000人を超える短期・長期のJICA研修員を受け入れ
- 教育学修士号が取得できる
- 入学料…282,000円、授業料…535,800円(年間)
- 授業料免除制度あり
入試情報
- 募集定員50名(同コースのみ)
- 8月、11月、2月入試の3回
- 試験会場は鳴門教育大学
- 筆記試験150点、口述試験150点で判断
(ただし、教員経験者、JICA海外協力隊経験者は筆記試験免除)
おすすめのポイント
積極的な開発途上国の現場への学生派遣
鳴門教育大学では、1年で10以上の開発途上国から研修員の受け入れを行っており、それに伴って相手国の現地調査や研修後もフォローアップとして現地に出向く機会が豊富にあります。これらに学生を積極手に同行させ、フィールド研究の機会や、開発プロジェクト相手国の教育関係者と接する機会を積極的に作りだしていいます。途上国への派遣の様子はこちらから見れます。
鳴門教育大学大学院学校教育研究科のページはこちらからどうぞ。
筑波大学大学院 博士前期課程 教育学学位プログラム(前期)
国際教育サブプログラム(前期)
基本情報
- 国際的視野を持った国際教育分野をけん引する教員及び研究者、グローバル社会のリーダーの育成が目的
- 国際バカロレア(IB)を含む国際的な教育プログラムの教授法、カリキュラム、アセスメントについて学ぶ
- 国際バカロレア(IB)教員資格を取得可能
- 教育学(国際教育)修士号が取得できる
- 入学料…282,000円、授業料…535,800円(年間)
入試情報
- 募集定員10名(同プログラムのみ)
- 10月入試の1回のみ
- 試験会場は筑波大学
- 筆記試験(外国語100点、専門科目200点)、口述試験200点
(社会人特別選抜の場合、専門科目がなく、代わりに小論文100点)
おすすめのポイント
国際バカロレア資格を取得可能
国際バカロレア(IB)とは、世界共通の成績証明書のことで、現在日本も含め世界中各地の学校で導入され始めているカリキュラムです。世界に通用する論理的思考力や表現力、コミュニケーション能力などが身につけられることができ、海外の名門大学もIBを個人の能力を証明する入学資格として認めている資格です。また、IB認定校で教員になりたい方にもおすすめです。IBカリキュラムの授業内容はこちらから見れます。
筑波大学大学院修士課程教育研究科のページはこちらからどうぞ。
【通信制】星槎大学大学院 教育学研究科
教育学専攻 国際協力・共生研究コース (2020年4月開講)
基本情報
- ⻘年海外協力隊員(JOCV)をはじめ、様々なかたちで国際協力の現場で活躍しながら、国際協力、途上国開発に関する学問知識を身につけ、現地での経験をもとに修士論文を書き上げることが目的
- 協力隊等の候補者やOBが対象のコース
- 通信制のため、全て自宅で受講可能
- スクーリングで対面の受講も可能
- 入学料…150,000円、授業料…600,000円(年間)
入試情報
- 募集定員50名(同研究科全体)
- 4月入学の場合、2月、3月、4月入試
10月入学の場合、9月入試 計4回
- 試験会場は全国13会場で実施
- 出願書類審査、小論文審査(事前)及び面接審査(試験当日)
おすすめのポイント
通信制で学べることこそ最大のメリット
基本情報でも述べたように、JICA海外協力隊に行きながらでも修士号が取得できるよう設立されたコースであるため、時間や場所を問わず学べる点、現地での活動をダイレクトに研究に生かせる点が最大の魅力です。まだこの4月に始まったばかりなので、紹介できる情報が少ないのが残念ですが、引き続き情報を追いかけていきます!
星槎大学大学院教育学研究科のページはこちらからどうぞ。
さいごに
今回は、国際協力の中でも<教育学>を中心に学べる国内の大学院を5つ紹介しました。
いかがだったでしょうか?
次回は、教育分野以外の大学院も紹介しますのでお楽しみに!