国際協力

【社会を変える仕事】ファンドレイザーとは|仕事内容、資格、年収まで

スポンサーリンク

この記事は、次のような悩み・疑問を解決します。

  • ファンドレイザーの仕事についてを知りたい
  • ファンドレイザーになるためにはどうしたらいいの?
  • ファンドレイザーの年収ってどうなの?

こんにちは、イタガキ(@gakisan2)です。

最近よく耳にするファンドレイザーという仕事。

アメリカでは、近年「なりたい仕事ランキング」の上位に登場するほど注目を浴びています。

ファンドレイザーとは、団体などのファンドレイジング(資金調達)を担当する仕事です。

ただし、資金調達といっても、ただお金集めをするだけの仕事ではありません。

その仕事内容は、広報や営業、マーケティング等の分析、ドナー(寄付者・支援者)とのコミュニケーション、と多岐に渡ります。

ファンドレイザーの重要な役割は、社会問題を解決する人と、それを応援したい人をつなげることです。

今回は、そんなファンドレイザーの仕事についてご紹介していきます。

この記事では、以下について解説します。

  • ファンドレイザーの仕事内容
  • ファンドレイザーの資格
  • ファンドレイザーの年収・求人情報

ファンドレイザーの仕事内容

冒頭でも紹介した通り、ファンドレイザーは、ファンドレイジング(資金調達)の業務を担当する仕事です。

ファンドレイジングとは何か

まずは、ファンドレイジングについて解説します。

ファンドレイジングとは、NPOなどが事業に必要な資金を社会から集める手段のことを指しています。「資金調達」「資金開拓」などという言い方もします。(「ファンドレイジングが社会を変える」より)

NGO・NPOの資金調達の方法は、以下の5つと言われています。

  1. 会費
  2. 寄付金
  3. 事業収入
  4. 補助金・助成金
  5. 受託事業

ファンドレイザーは、これらのプロセスに大きく関わる仕事と言えるでしょう。

NGO・NPOのファンドレイジングについては、私のブログ「Samoaki blog」の以下の記事でも詳しくまとめています。

NGO・NPOが活動資金を得る方法を解説【補助金・助成金制度も紹介】

ファンドレイザーの職場

ファンドレイジングを必要としている団体は、NGOやNPO、一般社団法人など、基本的には社会貢献を目的とした非営利団体です。

したがって、ファンドレイザーの職場は非営利団体ということになります。

ただ最近は、国や地方行政、プロスポーツチーム、美術館・博物館、大学、病院などもファンドレイジングに力を入れています。

今後ファンドレイザーの活躍の場所は多岐にわたっていくでしょう。

ファンドレイザーの業務

ファンドレイザーの業務は、ファンドレイジングのあらゆるプロセスに関わってきます。

代表的なファンドレイザーの業務に以下の4つがあります。

  • 広報・マーケティング業務
  • 営業・渉外業務
  • ドナーとのコミュニケーション業務
  • 補助金・助成金等の申し込み

広報・マーケティング業務

ファンドレイザーは、団体のビジョンやミッション、活動内容に共感してくれる人を集める仕事でもあります。

その性質から「ファン度レイザー」とも呼ばれ、いかに団体の魅力を伝えてファンを増やしていくかも大切な業務の一つです。

したがって、どのように広報活動をすればより多くの人にリーチするか、または関心を持ってもらえるかなどの戦略を立てる必要があります。

そのためには市場調査(マーケティング)を綿密に行うことができる力が求められます。

例えば、クラウドファンディングで資金を集める際などには、その手腕が試される代表的な一つの機会とも言えるでしょう。

営業・渉外業務

大きな団体になると特に、企業などの大口の寄付者に対する営業活動も仕事の一つになります。

新たな支援者獲得のための営業を行なったり、既存の団体会員の企業などに日頃の支援に対するお礼を伝えたり、さらなる支援をお願いしたりする必要があります。

そのため、営業力やコミュニケーション力も必要とされます。

ドナーとのコミュニケーション業務

営業業務と重なるところがありますが、団体に対して寄付をしてくださっている人や会員になっている個人や団体との定期的なコミュニケーションも業務の一つです。

ドナーに対して活動報告をメールで行なったり、これまでの支援に対する感謝を伝えることは、ドナーに継続して支援していただくために必要な業務となります。

補助金・助成金等の申し込み

また、補助金や助成金を申請するための提案書や企画書を作成することも業務の一つになります。

提案書では、補助金・助成金を行なっている相手に対して、文章で団体の活動の意義や価値を伝える必要があります。

そのため、一定のライティングスキルも求められます。

ファンドレイザーの資格

ファンドレイザーになるには、特別な資格や免許は必要ありません。

ファンドレイジング業務を担当すれば誰でもファンドレイザーと名乗ることができます。

ファンドレイザーになるには、以下の方法が考えられます。

  • NGO・NPO団体等の職員となり、ファンドレイジング部署に配属
  • NGO・NPO団体等が募集するファンドレイジング担当の契約社員に応募
  • NGO・団体等のインターン・ボランティアに応募
  • 自分で団体を設立し、ファンドレイジング業務も兼任

しかし、ファンドレイジングは団体にとってより良い活動をするため必要不可欠な業務のため、やはりある程度の経験や知識が求められます。

そこで、ファンドレイザーとしての知識やスキルを証明するものとして「認定ファンドレイザー」という資格があります。

資格認定制度「認定ファンドレイザー」とは

「認定ファンドレイザー」は、日本ファンドレイジング協会が設ける資格制度です。

認定ファンドレイザー資格制度には、准認定ファンドレイザーと認定ファンドレイザーの2種類があります。

  • 准認定ファンドレイザー:ファンドレイジングの基本的な要素を抑えることを目的とした、未経験者でも取得可能な資格
  • 認定ファンドレイザー:3年以上の有償実務経験も踏まえて、包括的なファンドレイジング力が問われる資格

日本ファンドレイジング協会より)

一般的に「准認定ファンドレイザー」からのスタートとなります。

以下で、准認定ファンドレイザー資格取得までの道のりを説明します。

准認定ファンドレイザー資格取得の条件

准認定ファンドレイザーの資格を取得するには、次の3つの条件があります。

  • 18歳以上であること
  • 日本ファンドレイジング協会が指定する研修を受講すること
  • 准認定ファンドレイザー資格試験に合格すること

日本ファンドレイジング協会より

以下で詳しくお話しします。

准認定ファンドレイザー研修について

研修については、准認定ファンドレイザー必修研修(1日)と選択研修(9ポイント)を資格試験実施日から過去6年以内に受講していなければなりません。

選択研修のポイントについては、1つの研修で1〜3ポイント得ることができるため、どの研修を受けるかによって必要な受講数は変わってきます。

2020年はコロナの影響でオンラインで受講できる研修がほとんどのため、地方在住者や海外在住者にもありがたいですね。

今後もオンライン中心で開催されることが予想されます。

ちなみに、研修の受講料は、必修研修が15,000円(税別)、選択研修も有料のため、すべて合わせると研修費だけで2〜3万円かかります。

(日本ファンドレイジング協会の会員になると割引制度が活用できます)

准認定ファンドレイザー資格試験について

准認定ファンドレイザー資格試験は、会場でコンピュータを使って解答するCBT形式と呼ばれるテストです。

試験の出題範囲は以下の通りとなっています。

  • 「認定ファンドレイザーテキスト」、「寄附白書2017」から70%
  • 上記に関連した内容や新しい動きなどについての設問が30%

日本ファンドレイジング協会より)

合格基準は、正答率70%以上とされています。

ちなみに、受験料は8,000円(税別)です

なお、詳しい情報は、日本ファンドレイジング協会のHPを参照してください。

准認定ファンドレイザーの資格を取得するメリット

認定ファンドレイザーになるためには、研修と試験にある程度の時間と財力が必要であるというデメリットはあります。

それでも私は、デメリットを補って余りあるメリットがあると考えます。

特に、これからNGO・NPOを立ち上げたい人、社会貢献や国際協力を仕事にしたい人には、絶対に取っておいて損はないと思います。

以下に、考えられるメリットを挙げてみました。

  • 資金獲得のスキルだけでなく、発信力も鍛えられる
  • 他の団体との交流、情報交換を通してネットワークができる
  • 団体としての社会的信用を高めることができる
  • 就職に有利になる

ファンドレイザーとしての発信力

ファンドレイジングはある意味で、自分たちの活動の魅力をいかに効果的に見せることができるかという力にかかっています。

ファンドレイザーの資格取得のための勉強や研修を通して、そうした発信力を鍛えることができます。

SNSやブログなど、今や誰もが発信することができ、それを受信することができる時代です。

そんな中で、NGOやNPOの弱点ともいうべき課題が、この「発信力」だと私は考えます。

いまだに、NPOやNGOという言葉を聞いたり、寄付という行為に嫌悪感や不信感を抱く人が多いのは、団体の活動内容や魅力、理念などを十分に伝えることができていないからです。

こういった業界の弱点を克服するためにも、今後どの団体でも強化していく分野になるでしょう。

他団体とのネットワークの構築

NGO・NPOなどの団体に所属していると、なかなか他団体と交流したり情報交換をする機会が少ないように思います。

そんな中で認定ファンドレイザーの研修を通じて、様々な団体の方々とつながりを持てる機会になることはメリットになり得ます。

これから就職する人にとっては、今後のキャリアプランを考える上で、すでにNPOなどで働いている人の話を聞ける絶好のチャンスです。

すでに働いている人にとっても、いろいろな悩みや疑問を打ち明け、相談する機会にもなるでしょう。

団体としての社会的信用の獲得

これについては、どちらかと言うと団体を設立した(しようとしてる)人にとってのメリットかもしれません。

団体の活動を続けていくためには、安定した資金調達が必要です。

その資金調達において、つまり寄付金や会員、補助金や助成金を獲得する上で重要となってくる要素が「団体の信用」です。

団体の中に資金調達の専門家であるファンドレイザーの資格を有している者がいるということは、資金的な基盤がしっかりとしている一つの条件として見られることになるでしょう。

事実、補助金や助成金の中には「ファンドレイザーの資格を有している職員がいること」という条件があるものもあります。

就職に有利になる

近年、NGO・NPO団体を中心にファンドレイザーの需要が急速に高まっています。

その証拠に、JICAの求人サイトPARTNERなどで、ファンドレイジング担当の職員や契約社員の求人がここ数年で急増しています。

今は人手不足もあり質より量の感は否めませんが、有資格者が増えれば差別化され、待遇を高くしてでも有資格者の質の高い人材が求められるようになるのは間違いないと思います。

現在認定ファンドレイザーの資格を持っている人は日本全国で136名

准認定ファンドレイザーの資格を持っている人は1183名です。(2020年3月現在)

今がチャンスです!

\ファンドレイジングを学ぶ方法について、詳しく知りたい方はこちらもどうぞ/

ファンドレイジングを学ぶ4つの方法【基礎から実践まで】

ファンドレイザーの年収

ファンドレイザーの年収は、一般的なNGO・NPO団体の正職員の年収と同等程度であると考えて良いでしょう。

平成27年の労働政策研究・研修機構の調査によるとNPOの正規職員の平均年収は「平均的な人」の平均値で約260万円です。

具体的な求人情報を例に見ていきましょう。

ケース① 某国内NPOアルバイト

<応募資格>

  • 団体のミッションに賛同・共感する方、
  • 社会人経験2年以上
  • 原則オフィス勤務可能な方
  • 和文での文書作成能力を有する方
  • Word, Excel, Windows, E-mail等実務でのPC使用経験を有する方
  • 営業経験のある方歓迎

<業務内容>

  • 協力先への営業、ご協力に関する連絡調整
  • 支援者対応(落札者連絡など)
  • 広報全般(SNS広報/HPなど)
  • 商品管理、出品、発送業務

<待遇>

  • 時給1,013円
  • 交通費支給(上限20,000円/月)

    ※活動頻度と時間:平日週16時間(10:00~18:00の間で)

ケース② 某国際NGO契約社員

<応募資格>

  • 2年以上の社会人経験(類似業務経験者歓迎)
  • 課題に対して自発的に取り込み、成果にコミットできること
  • Webマーケティン、ファンドレイジングまたは類似業務の経験が2年以上あること
  • 団体のビジョンに賛同し、国際協力事業及び国内事業、保護犬事業等に対する強い関心と情熱があること
  • 基本的なPCスキル(ワード、エクセル、パワーポイント)を有すること
  • 普通自動車運転免許

<業務内容>

  • マンスリーサポーターへの参加促進
  • 今ある危機、問題に対する単発の寄付促進
  • クラウドファンディング等、新規支援者獲得のためのチャネル別の企画・実施・分析
  • 上記の実現のために必要なオンライン・オフラインの企画やイベントの実施
  • ファンドレイジング業務改善

<待遇>

  • 給与は当団体規程による(非公開)
  • 通勤費は当団体規程による(上限なし)
  • 社会保険完備、他諸手当あり

ケース③ 某国内NPOインターン

<応募資格>

  • パソコン操作やSNS・ブログ更新作業ができる方
  • 学歴不問、年齢不問
  • 学生歓迎
  • 1週間に15時間以上、トータル60時間以上できる方

<業務内容>

  • クラウドファンディングの広報活動
  • 支援者探し
  • 郵送手配
  • 書類作成
  • メール送信

<待遇>

  • 交通費1回500円まで支給、500円以下の場合は実費支給
  • 基本給無し
  • 成功報酬あり(クラウドファンディング広報活動によって支援金が集まった場合、成功報酬として集まった金額の3%~10%を支給)

このように、日本のファンドレイザーの待遇は決して良いとは言えないのが現状です。

今はファンドレイザーの役割や価値がようやく認知され始めた段階です。

海外では団体の中でファンドレイザーが一番報酬をもらっている場合も多いようです。

今後ファンドレイザーの待遇改善、特に有資格者や経験者の待遇の向上が期待されています。

さいごに

いかがだったでしょうか?

今回はファンドレイザーの仕事内容、資格、待遇についてお話ししました。

あるファンドレイザーの方は、その仕事の魅力を次のように話していました。

ファンドレイザーの仕事の醍醐味は、どうしたら人に伝わるかを試行錯誤して、それが届いたときに寄付や会費という目に見えた形で成果が見えるところ。私たちは団体と人をつなげるパイプ役なんです。

ファンドレイザーの仕事についての理解が広がっていくことで、自分らしさを実現できる人たちの数が増えるとしたら、社会にとって大変重要な仕事ではないでしょうか?

スポンサーリンク
\板垣 暁歩をフォローする/
板垣 暁歩

国際協力NGOルマナイサモア所属
サモアを愛する国際協力師
2020年7月よりサモアで算数・数学教育の新たなプロジェクトをスタート予定。「教育で人と世界をつなぐ」をモットーにサモアと日本の学校をつなぐプロジェクト進行中。ライターとして教育・国際協力の記事も執筆。

\板垣 暁歩をフォローする/
Samoaki Blog
タイトルとURLをコピーしました