サモアの伝統的な家庭料理「ウム」を知っていますか?
世界中でさまざまな伝統料理がある中で、
サモアのウムは、世界一ワイルドで、世界一エコな料理と言えるかもしれません。
本日も、そんなサモア文化の世界を旅していきましょう。
この記事では、
- サモアの伝統料理ウムとは何か
- ウムの作り方
- 実際にウムを食べる方法
についてお話していきます。
特別な日にしか食べないウム
ウム(Umu)はサモアの伝統的な料理方法、またはそれで調理された料理そのものを指す言葉です。
ウムを調理できる人
サモアの人々にとってウムはある種の儀式に近いものがあるようで、
普段は女性が料理をするのが一般的なサモアですが、
このウムだけは男性が料理すると伝統的に決まっています。
ウムが食べられる特別なとき
ウムは家庭料理と言いましたが、毎日食べるわけではありません。
ウムを食べるのは、基本的に以下の特別な時だけです。
- 日曜日の礼拝のあとの昼食
- お客様をもてなすとき
- 特別な祝い事があるとき
国民の90%以上がキリスト教徒のサモアでは、日曜日は安息日。
午前中は教会で礼拝を行い、昼食時には家に戻ります。
そして家族全員でウム料理を食べるのが習慣になっています。(サモア語でトオナイと言います)
したがって、日曜日は朝早くからウムの準備をする必要があり、バタバタです。
また、結婚式などの冠婚葬祭や、村の行事など、サモアでは「最高のおもてなし」としてもウムが調理されます。
ウムの作り方
次に、ウムの調理方法を説明します。
必要な材料
ウムに必要なものは以下の通りです。
- 石(直径15cm程度がよい)
- バナナの葉っぱ(バスタオルくらいの大きさが好ましい)
- 乾燥させたヤシの実(ココナッツ)
- お好みの食材(サモアではタロイモやブレッドフルーツ、魚、豚肉などが一般的)
- 火の熱さにも負けないメンタル(これが一番大事)
お祝いの時は、子豚を丸ごと一頭、このウムで焼いたりもします。
ウムの調理手順
続いて、ウムの調理方法を順を追って説明します。
最後に動画も載せていますので、お時間があればそちらもご覧ください。
手順① 火をおこし、その上に石を並べ、石が赤くなるまで熱する
ここで大活躍なのが材料にもあったヤシの実。
乾燥したヤシの実の皮の繊維は火おこしをする際の火種になります。
また、火種を写す炭もヤシの実の殻で出来た炭を使います。
手順② 石を加熱している間に、食材の準備
石が赤くなるほど加熱されるまでにはかなり時間がかかるため、この間に調理する食材の準備をします。
タロイモの皮をむくときにも、ヤシの実の殻は役立ちます。
半分に割ったヤシの実のふちの部分をピーラーのごとくタロイモの皮にあて、むきます。(本当にヤシの実って捨てるところないんです)
手順③ 赤くなった石の上に食材を並べ、バナナの皮を上から覆い被せる
石が赤くなったら火から取り出して直径1mくらいの円形に並べます。
(サモア人は手づかみで並べます。ここでメンタル!)
タロイモやブレッドフルーツは直に置きますが、魚など焦げやすいものは、一つ一つタロイモの皮やバナナの皮で包んでから置きます。
すべて置き終えたら、上からバナナの皮を被せて、蒸し焼き状態で放置します。
手順④ 2~3時間放置したら完成!
遠赤外線効果でタロイモもホクホク♪
サモア人は味付けはほとんどしませんが、魚や豚肉には軽く塩を振っています。
また、タロイモなどには、パルサミという加熱したココナッツクリームのソースをディップして食べたりもします。
動画でも復習しましょう
手順は以上です。
簡単ですよね?これで明日から皆さんもウムをエンジョイできますね!
もし、まだ自分で作るには不安な方は、こちらの動画で復習しましょう。
ウムを食べてみたい方はこちら
さすがに自分でウムを作るのは難しいという方は、サモアにお越しいただいて、ウムを体験することが出来ます。
サモア・カルチュラル・ビレッジ Samoa cultural village
サモアの観光局が運営する外国人向けの観光施設で、無料でサモアの文化が体験できます。ウムを作るところから最後は試食まで出来ちゃうプログラムはおすすめです。
タウメアシナ・アイランド・リゾート Taumeasina Island Resort
サモアを代表する高級ホテルの一つ。レストランは宿泊客以外でも利用ができ、ディナー時には様々なイベントも開催されています。そんなタウメアシナが日曜のランチ限定でウム料理のメニューを提供しています。料金は69タラ(約2800円)。ローカルフードは恐いけどホテルのランチなら…という方におすすめです。
フガレイマーケット Fugalei market
サモアのローカルな市場。実際にサモアの人たちが買い物に来るマーケットです。こちらにもウム料理(調理済み)が軒先で売られています。また隣接するフードコートで食べることもできます。最近では家でウムをしない家も増えているため、こういったマーケットで購入する家庭も多いようです。
さいごに
いかがだったでしょうか?
今回はサモアの伝統料理ウムについてお話してきました。
サモアだけではなく、フィジーやトンガなど、他の大洋州の国々でも似たような調理法は用いられているようです。
ぜひサモアだけでなく、他のオセアニア地域の国の料理と食べ比べてみるのもいいかもしれませんね!