サモアは、オーストラリアから5,700km東に進んだところにある南太平洋に浮かぶ小さな島国です。
まだまだ知名度が低い国ですが、
最近ではディズニー映画「モアナと伝説の海」の舞台になったり、2019年のラグビーワールドカップで日本と対戦したりと、
ようやく「聞いたことがある国」レベルまで来てるんじゃないかと思います。
この記念すべき日に、サモアという国を皆さんにもっと知ってもらうべく、「これを知ればサモアがほぼわかる!」というポイントを4つまとめました。
ぜひこれを機に、サモアという国に興味を持っていただければ幸いです!
南太平洋で最初に独立を果たした国
サモアは、南太平洋にたくさんある国の中で一番最初に独立を果たした国です。1962年のことでした。
サモア独立までの歴史
BC 1000年 サモアに人が住み始める
AD 1722年 ヨーロッパとの初めての接触
1830年 ジョン・ウィリアムズがキリスト教の布教を開始
1833年 サモアの首長の一人マリエトアがサモアを統一
1841年 マリエトア死去。再び戦国時代へ
1899年 ドイツによる植民地支配が開始
1914年 第一次世界大戦でニュージーランドによる支配が開始
1962年 サモア独立
独立のきっかけとなったのは、第一次世界大戦後のニュージーランドによる支配でした。
それまでのサモアは、ドイツの支配のもと経済を順調に成長にさせていました。
しかし、ニュージーランドの支配下に置かれたとたん、そのずさんな植民地経営によってサモア経済は破綻します。
これをきっかけに、サモア人の有力者たちは一致団結し、ニュージーランドに対して抗議の意を示す「マウ運動」へと発展していきます。
このマウ運動は、暴力によって独立を勝ち取るのではなく、国際連盟にかけあい、世論を味方につけることで独立を勝ち取ったという意味でも当時では先進的な運動であったと言えるでしょう。
そして1962年1月1日にサモアは南太平洋で初めての独立という偉業を果たしたのです。
サモアの国旗
上の写真は、サモア独立国の現在使われている国旗です。
国旗の色には、赤が勇気と忠誠を表す色、青は愛国心と自由、白は純潔の象徴という意味があります。
もともと左上の星の数はニュージーランドの国旗に倣って4つでした。しかし、1949年に現在の5つになりました。
この5つの星は、南半球でしか見れない「南十字星」をモチーフにしており、その後サモアに続いて独立する多くの南太平洋諸国の国旗にこの星座は使われています。
サモアの歴史についてもっと知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
タトゥー文化を唯一守り続けている国
タトゥーの文化はポリネシア地域の国々を象徴する文化で、トライバルタトゥーとも呼ばれています。
タトゥーの由来はサモア語の「タタウ」
サモア語ではこのタトゥーのことを「タタウ -tatau-」と言い、この言葉がタトゥーという言葉の由来となったと言われています。
タトゥーの意味
サモアでタトゥーを彫ることは、成人になった証としての意味合いがあり、サモア人男性にとってタトゥーは地位や強さ、勇気を示すものであり、重要な儀式です。
とくにサモアの首長「マタイ -matai-」(各村の指導的立場)に任命された男性は、特別なタトゥー「ペア -pe’a-」と呼ばれるタトゥーを腰から膝にかけてまんべんなく掘ります。
このペアを完成させるのにはかかる時間は2週間、長いときには1ヵ月かかると言われています。普通のタトゥーを彫るよりも長く痛みに耐えることで、村を守る男として認められていくのでしょう。
なぜサモアのタトゥー文化だけが残ったのか
現在はファッションとしての意味合いが強いタトゥーですが、サモアだけはタトゥーの伝統的なデザインやその文化的な役割を残しています。
他の太平洋諸国でタトゥー文化がなくなってしまった原因の一つがキリスト教の伝来だと言われています。
キリスト教の宣教師らは、タトゥーを「野蛮な異教徒の慣習」とみなし、その文化を根絶やしにしようとしました。
しかし、サモアは多くの島々からなっており、さらに植民地支配されていた間も各村における首長のリーダーシップが残っていたため、タトゥーを駆逐しようとする動きからうまく逃れたのだと言われています。
それだけサモア人にとってタトゥーは守るべき大事な文化だったのですね。
人口たった20万人のラグビー大国
サモアを代表するスポーツである「ラグビー」は、国技と言っていいほど全国民に愛されているスポーツです。
そして、サモアがラグビー強豪国であることはラグビーファンの間では有名な事実です。
サモアのラグビー代表は「マヌ・サモア」という愛称で親しまれており、サモアの国民的ヒーローのような存在です。
サモアラグビーの歴史
サモアにラグビーが伝わったのは、20世紀初頭にニュージーランド人の宣教師が伝えたことが始まりとされています。
その後、ニュージーランドやオーストラリアがラグビー強豪国になるにつれて、
両国に地理的にも経済的にもつながりが深いサモアを始めとした南太平洋の島国にもその知識や技術が伝わっていったと考えられます。
最近はやや低迷していますが、それでも世界ランキング15位(2020年6月1日現在)、ワールドカップ8大会連続出場(継続中)、最高成績ベスト8と、輝かしい成績です。
それが人口たった20万人の国が成し遂げたとは信じられませんよね?
サモアのハカ「シバタウ」
そんなサモアラグビーで見逃せないのが、試合前に選手によって行われるハカです。
サモアでは「シバタウ -Siva Tau-」と呼ばれています。
説明するよりも、下の動画で見て感じてください。
サモアのラグビーについてもっと知りたい方はこちらの記事もどうぞ。
人口の約97%がキリスト教徒の国
サモアにとって宗教を超えた文化のような存在となったキリスト教。
生まれてから死ぬまで、サモア人のそばにはいつもキリスト教の教えがあります。
キリスト教の伝来
そのキリスト教がヨーロッパから伝来したのは、上の年表でも示したように、19世紀初頭と言われています。
当初、キリスト教の侵入をかたくなに拒んでいたサモア人でしたが、当時権力争いが激化していたなか、一人のサモア人のリーダー・マリエトアがキリスト教の力を背景にサモアを統一したことからキリスト教が広まっていきました。
それから約200年、キリスト教はサモアに欠かせない文化の一つになりました。
日曜日は礼拝
とくに日曜日はキリスト教では安息日とされており、会社や商業施設などはすべて休業。
サモア人は朝から教会のミサに参加し、礼拝を行うことが習慣となっています。
みな白い衣装に身を包んで各々が所属する教会へと足を運び、美しい讃美歌の歌声が所々から聞こえてきます。
さいごに
いかがだったでしょうか?
サモアの独立記念日は、今年で58回目を迎えました。
独立してからの歴史としては浅いですが、紀元前から脈々と受け継がれている自然や文化が今も残されているサモアには、何か特別な魅力のようなものを感じます。
ぜひ、直接サモアを訪れ、感じていただきたいです。
そして、この記事を読み、少しでも日本から遠く離れたサモアのよさを知っていただけたなら幸いです。