日本語教育能力検定試験を受験予定だけど、どのくらい勉強時間をとればいいか分からない。。
独学で勉強するつもりだけど、試験までの理想的な学習の進め方が知りたい!
こんな悩みにお答えします。
こんにちは、さもあき(@gakisan2)です。
私は2019年に日本語教育能力検定試験を受験し、独学5カ月で合格できました。
今回は、私が実践した勉強時間や勉強のスケジュールについてお話していきます。
この記事では、次のような事柄について解説します。
- 試験当日までに勉強した時間
- 勉強のスケジュール
- 聴解問題や記述式問題を対策するタイミング
\検定試験の「勉強方法」について知りたい方は、こちらの記事をどうぞ/
試験までに必要な勉強時間
試験合格に必要な勉強時間はおよそ400時間~500時間と言われています。
日数で割ると、1日3時間勉強すれば達成できます。
試験当日までの時間を逆算して、勉強の計画をしていきましょう。
筆者の場合
参考までに、私の試験までに費やした勉強時間をお見せします。
<1週間の勉強時間>
(2時間×平日5日間)+(5時間×土日2日間)=週20時間
<5カ月間の総勉強時間>
週20時間×22週(=5カ月間)=440時間
ちなみに、専門学校で日本語教師養成講座がちょうど420時間のコースです。
つまり、独学でも専門学校と同じくらいの勉強時間が必要だと言えそうです。
ただし、この勉強時間はあくまで目安ですので、あなたの生活スタイルに合わせて計画しましょう。
例えば平日の勉強時間を少なくして休日に回したり、通勤時間や休憩時間でも勉強できる工夫したりすることで、補うことができると思います。
勉強の量だけでなく、質を上げることでも対応していきましょう。
勉強の進め方・スケジュール
次に、試験当日までの勉強の進め方、学習計画・スケジュールについてお話しします。
5カ月間の勉強の進め方
6月 | ・前年の過去問を解く |
7月 | ・過去問3年分の過去問を解く ・自分の現状の把握 |
8月 | ・過去問2周目に入る(時間も計る) ・苦手な分野のあぶりだし ・聴解(リスニング)問題の対策スタート |
9月 | ・過去問3周目に入る(時間も計る、採点もする) ・苦手分野の重点対策 ・聴解問題対策も継続 |
10月 | ・苦手な分野を中心に問題演習を繰り返す ・時事問題、記述式問題の対策 |
これは、私が実際に昨年5カ月学習したスケジュールです。
それぞれの月ごとに解説していきます。
6月~7月 まずは問題の傾向に慣れよう
序盤の2カ月間はとにかく過去問を解き、問題の形式に慣れましょう。
解説を読む時間を十分にとる
ここでは時間や正答率は意識しないでください。
はじめて勉強するのですから、時間がかかって当然ですし、知らないことを質問されているのですから答えられなくて当たり前です。
問題を解いても「分からない。。」「これどういう意味?」というモヤモヤを経験をするでしょう。
それでも解説を読んで「へー、そういうことなんだ!」とスッキリを感じることで知識の定着に繋がります。(アハ体験)
そして、この段階では問題を解く時間よりも解説を読む時間を長くしましょう。
解説を読んでも分からないところは、補助的な役割として参考書(赤本)を読むとさらに理解できます。
過去問を一通り解き終わったら振り返り
この2カ月で過去3年分くらいの試験問題を解いたら、かんたんに分析をします。
自分が苦手だと思った分野、正答率が低かった問題がどこなのかを把握しましょう。
この段階ではまだ勉強を始めたばかりで、どの分野も正答率は低い結果になると思います。
しかしそこで焦ってその分野の対策をするのではなく、あくまで記録しておくだけで大丈夫です。
次の過去問2周目を解き終わったときの比較データとして使えれば十分ですので、ここにあまり時間をかけずにいきましょう!
8月 記憶を定着させ、理解を深めよう
8月も引き続き過去問を解いていきますが、2周目からは自分の苦手分野を見つけることにも焦点をあてます。
苦手分野のあぶりだし
過去問演習が2周目ともなると、以前解説で読んだ「これなんだっけ?」「前も間違えたんだよなー」という問題が出てきます。
そういった問題に出会ったときこそ、自分の苦手な分野があぶり出されるタイミングです。
必ず問題を解きながらメモするなり、付箋や蛍光ペンで印をつけるなどしておきましょう。
時間は大問ごとに計ってメモ
2周目からは時間も意識してください。
何分以内に解けなければ強制終了!とまではしなくてもよいですが、大問ごとにかかった時間をメモしておきましょう。
あとで分析する際に、どこにどれだけ時間をかけたか、どのくらい時間がオーバーしそうかを計算することで、効率的に苦手分野を対策できます。
過去問の解き方の工夫
これは参考までに見てもらえば結構ですが、私の場合、過去問2周目は少し工夫して問題を解きました。
検定試験は、試験Ⅰ(日本語の基礎)、試験Ⅱ(聴解・リスニング)、試験Ⅲ(日本語教育)に分かれています。
私の場合、まず試験Ⅰだけ3年分解き、次に試験Ⅱを3年分…といった感じで解きました。
2019年試験Ⅰ→2018年試験Ⅰ→2017年試験Ⅰ→2019年試験Ⅱ→2018年試験Ⅱ…
こうすることで次のようなメリットがあります。
- 各年の傾向(これは毎年出てるなど)を感覚的につかむことができる
- 最近解いた問題やテーマが再び出ると、解けるようになり記憶も定着していく(エビングハウスの忘却曲線)
聴解問題(リスニング)の対策方法
聴解問題は多くの受験者を苦しめている単元の一つです。
しかし、一方で対策すれば一番点数に現れる単元でもあります。
満点も十分狙える単元なので、ぜひこの頃から対策をはじめましょう。
聴解問題の対策はとにかく耳慣れすることです。
8月あたりから、徐々に聞く機会を増やしていきましょう。
過去問のCDをひたすら通勤時間や隙間時間に流し聞きするだけでも効果があります。
聴解問題にかなりの苦手意識がある方は、別途教材を購入してもいいかもしれません。
以下でいくつか教材を紹介しておきます。
9月 苦手分野を重点的に対策しよう
過去問も2周目が終わり、そろそろ自分が苦手とする分野が明確になってきたころだと思います。
ここからは、苦手分野への対策に時間を割き、確実な点数アップを目指しましょう。
苦手分野対策は参考書(赤本)に戻る
ここまでの勉強方法は問題演習が中心で、参考書は解説を見ても分からないところがあれば覗く程度でした。
しかしここからの苦手分野対策では、参考書のその分野のページを徹底的に読んでいきましょう。
できればノートづくりや単語帳なども作るとさらに効果的です。
過去問は時間の計測と採点を
過去問ももちろん継続して解いていきます。
3周目からは、本番と同じ制限時間で解いていきましょう。
大問一つにかける時間なども細かく設定して解くのもいいかもしれません。
そして、解答後はしっかりと採点をしましょう。
全体の合計点数も出し、合格までに必要な点数を明確にします。
ちなみに合格に必要な点数は7割と言われています。
もし、新たな問題にチャレンジできる時間的・経済的余裕があれば、もう一冊問題集を購入してもよいかもしれません。
10月 時事問題と記述式問題の対策で仕上げ
いよいよ試験本番の10月は、総仕上げになります。
とくに、ここまで対策してこなかった時事問題と記述式問題に取り組んでいきましょう。
時事問題の対策方法
検定試験には時事問題も毎年数問出ます。
時事問題は、日本語教育関係の法律改正や社会問題、外国人労働者や留学生、技能実習生などが扱われることが多いです。
時事問題の対策としては、以下の方法がオススメです。
- インターネットなどでキーワードが含まれた記事を検索する
- 文化庁のホームぺージの「日本語教育」のページをチェックする
(https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/) - 国際交流基金の最新データをチェックする
(https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/)
時事問題は試験がある年の夏くらいまでの情報は試験に出る可能性があります。
前年8月から本年の8月くらいまでの情報は最低でもチェックしておくといいでしょう。
また、普段から新聞などで日本語関連の記事をチェックしておくことも大切ですね。
記述式問題の対策方法
検定試験では、毎年違うテーマについて400字程度の小論文を書く問題が必ず出題されます。
ただし、出題されるテーマは日本語教育の用語や知識を使って書く必要があるため、序盤で練習しようと思ってもできません。
したがって、ある程度問題演習を通じて知識が身に付いた終盤で対策することをおすすめします。
基本的には一般的な小論文の形式「自分の主張→その理由→具体例→再び自分の主張」で書けば問題ありません。
ただし、小論文は練習してもそれが正しいのかどうか判断することが難しいため、対策がしにくい分野でもあります。
もし、知り合いに日本語教師の方がいれば、見てもらうことをおすすめします。
もしいなければ、問題の解答例などを参考に自分なりに書いてみることでも対策できます。
私の場合は添削を頼める人がいなかったので、過去問や参考書の解答例の文章構成を真似して、テーマを色々と自分で変えながら練習しました。
本番と同じ条件で1人模擬試験を
最後の総仕上げとして、必ず試験当日と同じタイムスケジュールで模擬試験を行うようにしましょう。
問題は過去問でオッケーですし、問題集を購入していてその中に模擬試験が収録してあればそれでも構いません。
ただここで大事なことは、本番と同じ時間で試験を解くことの目的です。
ここでの目的は、あくまで当日の緊張を少しでも緩和させ、実力が発揮できるようにするためだということです。
もうここまできて点数が思うように取れなかったとしても気にしないでください!
むしろ、「本番でなくてよかった!」「逆に今間違ったことで本番で出題されれば絶対に正解できる!」とポジティブに考えましょう!
さいごに
いかがだったでしょうか?
今回は日本語教育能力検定試験の勉強時間やスケジュールについてお話しました。
検定試験の受験者の7割は「初めて受験する」人で、そのうちの3割の人たちが合格しています。
しっかりと対策していけば合格できる試験ですので、最後まであきらめずに勉強していきましょう!