この記事では、次のような悩み・疑問を解決します。
- 日本語教師ってどこで働くの?
- 日本語教師の待遇を知りたい
- 日本語教師になるための条件・資格は?
あなたは、街で外国人に「日本語で」話しかけられた経験はありますか?
実は、いま日本語を学んでいる外国人は、世界でなんと約400万人もいます。
その一方で、日本語教師の数は約77,000人。
全然足りてません。。
つまり、いま日本語教師の需要がめちゃくちゃ増えてるんです。
私も昨年、日本語教師の資格試験を受験し、何とかギリギリ合格しました。
でも、日本語教師の仕事って意外と知らないこと多いですよね?
そこで、この記事では、
- 日本語教師の仕事内容
- 日本語教師の待遇
- 日本語教師になる方法
について解説していきます。
日本語教師の仕事とは
日本語教師は仕事とはもちろん「日本語を教える」ことですが、勤務場所はかなり多岐にわたります。
日本語教師が働いている職場は以下の通りです。
- 日本・海外の日本語学校
- 日本・海外の大学
- 民間企業
- オンライン講師
- EPA関係
- 日本語教師ボランティア
日本語学校
日本語学校の場合、国内と海外の選択肢があります。
基本的に日本で進学、または働くこと希望している学習者を対象に教えるため、大人相手の指導がメインになります。
日本で学ぶ、または働く、という明確な目標があるため、学習者の意欲は比較的高いようです。
また、日本語学校と行っても企業ですので、常勤として働く場合、授業以外の事務業務なども仕事内容の一部になることがあります。
しかし実際は、非常勤講師としての雇用が多く、授業1コマ〇〇円といった契約になります。
大学
大学も国内か海外かでもかなり条件は異なりますが、勤務するためには日本語学校とは異なり、修士・博士などの学歴や長い勤務経験が必要となることが多いです。
学習者は大学生や留学生が対象となり、教授や准教授、客員教授といった立場で働く場合、日本語を教えるというよりは、日本語教育や日本語の指導者を育成することになります。
大学にも、非常勤講師という形で、日本語の授業だけを行う雇用形態があります。
民間企業
民間企業の場合は、外国人の社員や研修生に対して、業務に必要な日本語を教える立場として雇われます。
こちらもほとんどは、契約社員という形で雇用されるケースが多いようです。
オンライン講師
最近では、オンラインで日本語教師をする方も増えてきています。
オンラインであれば、在宅・フリーランスで日本語教師をすることも可能なため、主婦の方でも海外で生活しながらでも、副業としても日本語教師ができます。
今後一層多様な働き方が進む中で、この分野は今後より一層ニーズが高まっていくことが予想されます。
ちなみに、以下のオンライン日本語教室では講師の募集もしているのでご参考までに
・カフェトーク
オンライン日本語家庭教師のサイトで、生徒とマッチングしてくれるサイト。学習者の対応や料金回収を代行してくれる。
・ジャパトーク
スカイプを使ったオンライン家庭教師。こちらはとくに資格等がなくても講師登録可能!
EPA関係
EPAとは経済連携協定のことで、インドネシア、フィリピン、ベトナムから看護師と介護士の研修生を日本に受け入れ、実習させるという協定が結ばれています。
この研修生に日本語指導をする仕事があります。
日本語教師ボランティア
ボランティアにも有給と無給のボランティアがあります。
有給のボランティアだと、青年海外協力隊や日本語パートナーズが有名です。
無給のボランティアだと、地域に住む外国人を対象とした日本語教室などで指導する方法があります。
EPAの講師や有給ボランティアについては、下の記事でも詳しく紹介しています。
【無資格でも有給!】海外で日本語教師ができる公的無償プログラムを紹介
日本語教師の待遇
次に、日本語教師の待遇についてお話します。
日本語教師の待遇は、
日本国内の場合、常勤で月額20万円前後、非常勤で1コマ1,800~2,000円
海外の場合は、それよりもやや低くなる傾向があります。
しかし海外、特にアジアで働く場合、生活費が低く抑えられる場合が多いため、一概にどちらがよいとは言えませんが、どちらにしてもあまり待遇が良い職業とは言えませんのが現状です。
ただ、この待遇の低さが質の低下を招いていることが問題視されており、今回の日本語教師制度の改正の方向に動いているため、待遇についても今後改善されることが期待されています。
また、日本語を学びたい海外の学習者は、日本が大好きで、学習意欲もとても高い方が多いです。
そんな学習者に囲まれて日々授業できる点が日本語教師の良さであり、やりがいとも言えるでしょう。
日本語教師になる条件とは【現行の制度】
実は、日本語教師になる条件は、明確には決められていません。
ただ、需要増加への対応と待遇改善のために、現在資格化するための制度が整備されています。
現在は、日本語教師として働くためには、以下の3つのうち、どれか1つを満たしていることが条件になることが多いです。
日本語教師養成講座
1の日本語教師養成講座を通して日本語教師を目指す方法が、現在は一番多いパターンです。
主に専門学校に通うことで受けることができます。夜間や土日だけで受けれる学校もあり、働きながら通って取得する方も多いです。専門学校は全国にたくさんありますが、今回は2つ紹介します。
・ヒューマンアカデミー 日本語教師養成講座
講義だけでなく実習授業も多く、全国に拠点があるため通いで勉強したい人はおすすめ。修了実績も業界No.1で、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。(ちなみに私の妻もここで修了しました)
・アークアカデミー 日本語教師養成講座
Webでの受講が可能なため、学習者の状況を選ばないスタイルで学習ができる点が特徴。「振り替え」や「繰り返し受講」にも対応してくれます。
この他にも、「実際に通うのは難しい」という方には、通信講座による養成講座もおすすめです。
・アルク <検定合格率66.3%>「NAFL日本語教師養成プログラム」
テキストを使った通信講座で、検定試験に向けて徹底的に対策できます。検定試験全体の合格率が20%前後のところ、このプログラム受講者の合格率は66.3%と実績十分!
日本語教育能力検定試験
日本語教育能力検定試験は、毎年1回、11月に試験があります。
日本語の知識や、日本語教育に必要な知識・技術などが出題され、小論文もあります。
ちなみに2019年度、日本語教師になるための試験「日本語教育能力検定試験」を受験した人数は11,699人。
これは、5年前の2014年度と比べると、2倍以上に増えています。
さらに詳しい情報は、こちらの記事で解説しています。
【日本語教師の資格】日本語教育能力検定試験の合格率は〇〇%!
日本語専攻の大学・大学院
日本語専攻のある大学は、全国に100以上あります。
主に人文、教育、国際系の学部に属していることが多いです。
また、通信で通える大学も多いため、やはり働きながら学位取得を目指す方も多いです。
来年から変わる?日本語教師になるための新条件
2020年2月、文化庁から日本語教師の新たな国家資格「公認日本語教師(仮称)」の創設案についての発表がありました。(あくまで案で、決定ではありません)
まとめると、以下のような内容でした。
・日本語教師を国家資格化
・日本語教師の量と質の確保(要は人数増やして質も上げたい)
・資格取得の条件は、次の3つすべてを満たすこと
① 4年制大学卒業
② 45コマ(1コマ45分)以上の教育実習の履修
③ 日本語教育能力試験の合格
・年齢、国籍、母語は問わない(日本人じゃなくてもOK)
・有効期限は10年(10年ごとに更新)
・早ければ2020年度に法案を可決(→数年以内にスタートの可能性大)
・現行制度で日本語教師の要件を満たしている者には、移行措置を検討
特に注目すべきは、現行では4年制大学卒業が必須ではありませんが、新制度では必須となります。
そのため今年中に現行の条件を1つでも満たせば、移行措置の対象になれることを見越して、最近は専門学校への入学や受験をする人が増えているようです。
もし日本語教師に関心がある方は今すぐ検討してみた方が良さそうですね!