日本語教師になるための資格の一つが「日本語教育能力検定試験」の合格です。
私自身、この試験を受けようと決めたのが、2019年の6月でした。
そこから試験当日の10月まで5カ月間、専門学校などに通わずに独学で勉強し、検定に合格しました。
この記事では、独学で日本語教育能力検定試験に合格するための勉強法として、は私が実際に行った方法を紹介します。
特別なことは一切していません、誰にでもできる方法です。
これから日本語教師を目指す方々のご参考になれば幸いです。
日本語教育能力試験について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
【合格率は28%】日本語教師の資格・日本語教育能力検定試験を徹底分析!
試験勉強に必要な参考書や問題集を購入しよう
まずはじめに、日本語能力検定試験を勉強をするために必要な参考書と問題集を購入しましょう。
以下でいくつか紹介しますが、最低でも参考書と問題集1冊ずつは必要です。
参考書の定番は日本語教育の「赤本」
受験生は必ず持っている参考書がヒューマンアカデミーが出版している「日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド」、通称「赤本」です。
検定試験に出やすい基本的な事柄が網羅されており、教科書として使用する一冊としては1番人気です。
欠点は、持ち運びしにくい大きさと厚さ。
大きさはA4で300ページ以上の分厚さのため、通勤中に電車の中で立って読むには難しいです。
しかし、情報量は間違いありませんし、試験に出やすいポイントが記してあったり、図や注釈で丁寧に説明されてあり、私もボロボロになるまで使いました。
検定対策の基本はやっぱり過去問
次に問題集ですが、やはりどんな試験も対策の軸になるのが「過去問題集」です。
検定試験を実施している日本国際教育支援協会(JEES)が毎年出版している過去問題集があるので、購入を強くおすすめします。
最新は下の昨年2019年(令和元年)に実施されたものです、私は過去3年分購入しました。
あまり古いと、時事系の問題やデータを読み解く問題の情報が古く、逆に混乱してしまうため、3年前くらいまでが良いと思います。
個人的には、最低この2種類があれば戦えると思います。
ただ、予算に余裕があったり、勉強をする時間が取れるようであれば、以下のような参考書・問題集の購入も検討してみてください。
持ち運びに便利な用語集
先程紹介したヒューマンアカデミー参考書の用語に特化した一冊がこの「分野別用語集」です。
赤本は基本的な用語は全て網羅していますが、より多くのマイナーな用語も詳しく解説してくれています。
そして、何といっても赤本の最大の欠点だった大きさが、持ち運びしやすいA5サイズなのが便利です。
通勤中の貴重な時間を勉強に当てたい方はおすすめです。
とにかく問題数をこなしたい人向け
過去問だけでは心配な方、とにかく問題数をこなしたい方はアルクの「合格するための問題集」もおすすめです。
苦手な問題だけ重点的に対策したい
苦手な問題だけを重点的に勉強したい方は、「合格するための○○」シリーズがおすすめです。
下では記述式問題だけ紹介していますが、聴解問題、教授法問題など、あなたが苦手に感じる分野別に出版されています。
サイズもA5で持ち運びしやすいですよ!
日本語教育能力検定試験の勉強法
続いて、勉強法について紹介します。
勉強はアウトプットからのインプット
私が勉強を始める際、まず行ったのはアウトプットでした。
つまり、いきなり過去問を解き始めました。
まず過去問を解いてみて、それから解説を見ながら、間違えたところ、問題を解いていて分からなかったところをノートにまとめ、インプットしていきます。
アウトプットからする理由
アウトプットからする理由は、基礎知識なしでも割と解けちゃう問題があるからです。
たしかに普通はインプットしないとアウトプットできないので、インプットからスタートしますよね?
しかし、これを読んでいただいている皆さんは、おそらく日本語を母語として使っている方がほとんどだと思います。
日本語教育能力検定試験はもちろん「日本語」についての試験。
つまり、皆さんのこれまで日本語を使ってきて、感覚的に持っている知識や経験で解ける問題が結構あるのです。
実際に、以下で問題例をみてみましょう。
日本後教育能力検定試験の問題例
下記の文で、下線部の性質が異なるものを選びなさい
(1) 田中さんは公園で鈴木さんと話しています。
(2) 石田さんは帽子をかぶっています。
(3) 今、書いていますので、すぐ渡します。
(4) もう少し待ってください!今、急いで準備をしていますので。
正解は、(2)です。
(1)、(3)、(4)はそのときの動作の進行を表しているのに対し、(2)は動作の結果の状態を表していますよね。
このように、いきなりでも解ける問題が多くあるので、まず過去問を一通りやってみましょう!
アウトプットを過去問でするメリット
アウトプットは、まず過去問でやるべきです。
なぜなら次のようなメリットがあるからです。
検定試験は、日本語の文法、日本語教育の歴史、教授法、異文化理解、音声・聴解問題など、様々な分野から出題されます。
過去問を解くことで自分がどの分野が得意火、または苦手かが早期に判り、対策することができます。
また検定試験は多くの問題が「長文・説明文」を読んでそれに関する問題が出題されるパターンになっています。
つまり、過去問の問題を読むことがそのままインプットになるため、限られた時間で効率的に勉強をしていくことができます。
過去問を解くときのポイント
また、問題を解くときは、次のことを意識してください。
このように基本的には、「アウトプット→インプット→再びアウトプット」
私の場合、この流れで3年分の過去問を3周以上しました。
すると、理解が深まり、記憶として定着していくのが実感でき、勉強も楽しくなっていくと思います。
過去問を解く際の注意点
ただし、以下の点に注意して学習を進めてください。
さらに効果的に学習をするために
勉強をさらに効果的にするためには、以下の方法もおすすめです。
これらは全部、私が「やっとけばよかったー」と今更ながら思っていることですので、ご参考になれば幸いです。
iPadなどのタブレットの活用
効率的に、どこででも、最小限の荷物で勉強したい方に強くおすすめします!
私は当時は紙ノート派だったでしたが、学習にiPadを使うことがこんなに便利だということに気づき、今はバリバリiPadを使ってます。
ノートアプリやスクショ、単語帳アプリなどが便利ですし、通勤中やちょっとした休憩時間も勉強できます。
YouTube、twitterなどのSNSの活用
上の勉強方法と同時並行で、SNSを日々の学習に取り入れると、学習効果の向上が期待できます。
独学の難しいところは、モチベーションを保つこと。
Youtubeの分かりやすい講義動画を見ることや、twitterやFacebookで同じ日本語教師を志している方のアカウントをフォローしたりすることは、学習へのモチベーション維持に役立ちます。
ぜひ「日本語教育」や「日本語教師」で検索し、お気に入りのアカウントを見つけてフォローしてみてください。
こちらも通勤・通学の時に聞き流したり、休憩時間のスキマ時間を有効活用できると思います。
日本語教師養成講座
本気で日本語教師の仕事を目指す方におすすめなのが、専門学校などで開講している「日本語教師養成講座」です。
日本語教師養成講座で学ぶ内容は、試験合格のためだけでなく、日本語教師になってから役立つ教授法や模擬授業などの実践的な授業も数多く用意されています。
実践力も同時に身につけながら検定合格を目指したい人は、養成講座の受講もぜひ検討してみてください。
日本語教師養成講座には、以下のようなものがあります。
・ヒューマンアカデミー 日本語教師養成講座
講義だけでなく実習授業も多く、全国に拠点があるため通いで勉強したい人はおすすめ。修了実績も業界No.1で、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。(ちなみに私の妻もここで修了しました)
・アークアカデミー 日本語教師養成講座
Webでの受講が可能なため、学習者の状況を選ばないスタイルで学習ができる点が特徴。「振り替え」や「繰り返し受講」にも対応してくれます。
・アルク <検定合格率66.3%>「NAFL日本語教師養成プログラム」
テキストを使った通信講座で、検定試験に向けて徹底的に対策できます。検定試験全体の合格率が20%前後のところ、このプログラム受講者の合格率は66.3%と実績十分!
地域の日本語教室のボランティア
さらに実際に学習者に教えることにもチャレンジしたい方は、地域の日本語教室でボランティア講師として指導するという方法があります。
これらのほとんどは資格や経験を必要とせず、地域によってはボランティアをする前に指導方法について研修を行なってくれるところもあります。
やはり、実際に学習者さんに直接教えてみることで、学べることはとても多いです。
地域の留学生や技能実習生を対象にした日本語教室を行なっている地域が多いので、ぜひ探してみてください。
問い合わせ先は各自治体で違いますが、役場のHPや、国際交流協会のようなところで情報が手に入ることが多いです。
しかも、日本語を学ぶ学習者も学生や実習生がほとんどのため、教室は平日夜間や休日に開講しているケースが多いです。
社会人や学生の方でも、仕事や授業に重なることなく参加できるケースが少なくないでしょう。
さいごに
いかがだったでしょうか?
今回は、日本語教育能力検定試験の学習方法についてお話ししました、
日本語教師は近年とくに需要が伸びている職業の一つです。
その影響もあって、日本政府としても人材の量・質の向上、待遇改善に動きつつあります。
そして、何より自分の国の言葉を通して、様々な国の人々と交流することが出来る素敵な仕事です。
私も日本語教師を目指す方々の力に少しでもなれるよう、これからも情報発信していきたいと思います!