コラム

「幸福を高める4つの因子」から考えるNGO・NPOの役割

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こんにちは、イタガキ(@gakisan2)です。

突然ですが、みなさんが幸せに感じるときってどんな時ですか?

私は、自分が応援するサッカーチーム(モンテディオ山形)が勝った次の日に、そのことについて書かれたネット記事などを見ているときです。

あと最近だと、久しぶりに家族以外の人と対面で話したときでしょうか?

さて、タイトルにもある通り「幸福を高める4つの因子」というものをご存知でしょうか?

その4つとは、以下の通りだそうです。

  1. やってみよう!因子
  2. ありがとう!因子
  3. なんとかなる!因子
  4. あなたらしく!因子

いかがですか?みなさんがイメージした幸せな瞬間に当てはまるでしょうか?

ということで、今回は「幸せ」について本気出して考えてみました。

すると、私たちNGO・NPOの役割と「幸せ」についての関係性も見えてきました。

ぜひ、最後までご覧いただければ嬉しいです。

「幸せ」についての最新の研究

人の「幸せ」について、これまで多くの研究がなされていることをご存知でしょうか?

その中でも今回取り上げるのが、慶應義塾大学大学院の前野隆司教授の研究している「幸福を高める4つの因子」というものです(注1)。

前野教授は、幸福を高める因子は4つあり、この4つを高めていくことで幸せ度を高めることができると主張します。

幸福を高める4つの因子

  1. 「自己実現と成長」の因子(やってみよう!因子)
    夢や目標を持っている人ほど幸福度が高い。その目的を成し遂げたときだけでなく、その目的に向かって努力している間も「ドーパミン」と呼ばれる物質が脳内で増え、幸福感につながる。
  2. 「つながりと感謝」の因子(ありがとう!因子)
    他者とのコミュニケーションを通じて、相手に親切にしたりされたり、感謝したりされたりする機会が多いほど幸福度が高い。感謝することで「オキシトシン」や「セロトニン」といった脳内物質が増え、幸福感につながる。
  3. 「前向きと楽観」の因子(なんとかなる!因子)
    ポジティブで細かいことにくよくよしない人ほど幸福度が高い。
  4. 「独立とマイペース」の因子(あなたらしく!因子)
    人の目を気にしたり、他人と比較することなく、自分のペースで自分のやりたいことを行っている人は幸福度が高い。

日本人の45%は4因子がややマイナス

前野教授の行ったクラスター分析という調査では、約1,500人の日本人を対象に、①人生の満足度、②ポジティブな感情を持っているか、③ネガティブな感情を持っているか、の3つを調査しました。

これらの対象者に対して「幸福の4因子」についても測定し、1500人を幸福度が高い順に5つのグループに分けました。

一番幸福度が高いグループは、全体の20%の人が当てはまり、人生の満足度とポジティブな感情が高く、ネガティブな感情は低いグループで、4因子も全て高い数値を示していました。

(各因子がプラスに大きい値をとるほど幸福とみなす)

人数が一番多かったグループは3番目に幸福度の高いグループで、全体の45%の人がこのグループに当てはまります。

このグループの特徴は、人生満足度は中程度、ポジティブな感情は低く、ネガティブな感情が高い。4因子についてはどれも若干マイナスの値をとった人たちでした。

夢や目標があって、人とのつながりがある人が幸せ

意外だったのは、下から2番目の幸福度があまり高くないグループ。

このグループの特徴は、因子3(なんとかなる!因子)と因子4(あなたらしく!因子)が高いことです。

一方で、因子①(やってみよう!因子)と因子②(ありがとう!因子)が著しく低いのです。

人生満足度やポジティブ感情、ネガティブ感情も全て低く、幸福度が低いと結論づけられました。

つまり、自分らしく楽観的にマイペースで生きていても、夢や目標が無く、人とのつながりが無ければ、幸せを感じていないことが分かったのです。

幸福を増加させる方法の一つとしてのNGO・NPO

さてここまで、「幸せ」とはどのようなものなのか?について考えてきました。

次に、幸せとNGO・NPOについての関係を考えてみます。

私は常々、NGO・NPOの活動とは、関わる人をちょっと幸せにすることだと考えてきました。

NGO・NPOの活動に関わる人達は、大きく3つに分類することができます

  1. 団体職員
  2. 受益者
  3. 寄付者・支援者

NGO・NPOの活動に関わることで、その人たちの幸せにどのように貢献できるか、考えてみました。

団体に所属する人にとっての幸せ

まず、NGO・NPO団体に所属する人たちにとっての幸せです。

団体に所属している時点で、何かしらの社会問題を解決したいという強い目標があり、それが自分らしさの表現でもあります。

さらにその活動を通して仲間や支援者、受益者とつながることができます。

4つの因子で言えば、幸せになれる要素は十分ではないかと思います。

実際、NGO・NPO活動をしている人たちは、エネルギッシュで充実感に満ちあふれている人が多い気がします。

支援を受ける人にとっての幸せ

NGO・NPOはどの団体も「ある社会問題に苦しんでいる人に支援の手を差し伸べること」「社会をよりよくすること」を目的として設立されています。

つまり、団体のビジョンやミッションそのものが、支援を受ける人、つまり受益者の幸せです。

ただ、受益者にとっての幸せを考えたときに、単に問題の解決にとどまらない可能性があると考えます。

例えば、支援活動を通じて生まれる人と人のつながりも幸福因子の一つです。

さらには、そのつながりによって、以前より前向きに、自分らしく生きていくことができるかもしれません。

はたまた、目標を見つけ、その目標に向かって努力できるようになるかもしれません。

このように、幸せの因子が相乗効果で向上していく可能性を秘めているように思います。

寄付する人・応援する人にとっての幸せ

これは、寄付やボランティアをした方々にとっても同じことが言えます。

寄付やボランティアとして参加するだけで、それまでつながりが無かった人たちと繋がることができます。

また、私たちが寄付やボランティアをする時、多かれ少なかれ、その団体のビジョンや活動に共感しています。

つまり、寄付やボランティアに参加することで、その活動が目指すゴールは関わった人全員にとってのゴールにもなります。

これは、夢や目標の共有です。

寄付をする人には、昔は国際協力や社会貢献活動を仕事にしたいと思っていたけど、仕事や結婚など、様々な理由であきらめざるを得なかった人もいるでしょう。

NGO・NPO活動に何らかの形でかかわることで、自分らしさを取り戻すきっかけになった人もいるかもしれません。

NGO・NPO活動=自分も人も幸せにする手段

近年、社会の中で様々な問題が浮き彫りになっており、国や行政のサービスだけではカバーすることが難しくなっています。

事実、取り残されてしまっている人たちが多く存在し、コロナ禍という状況でより深刻になってきています。

そんな時代に重要になっていく存在が、私たち市民の活動、つまりNGO・NPO活動です。

NGO・NPO活動は、関わる人を幸せにし、自分も幸せになり、社会を幸せにする活動であるべきだと思います。

誰かを幸せにするだけでなく、自分も幸せになる、そんな仕組みがもっともっと世の中にあふれていいはずなんです。

NGO・NPOに関わることが、自分も人も幸せにするための手段の一つとして、もっと認知されて欲しいと思っています。

さいごに

NGOやNPOの認知度はまだまだ低いと感じています。

名前こそ聞いたことがあっても、「なんか怪しい」「悪いことしてそう」「なんか宗教っぽい」といった誤ったイメージが先行しているのではないでしょうか?

そんなイメージを払しょくすることも、私のミッションの一つだと考えています。

「NGOは幸せになれる!」という内容だったので、ますます怪しまれてしまいそうですが…(汗)

ぜひ、この記事をきっかけにNGO・NPO活動に関心を持ってくださる方が増えてくれれば幸いです。

注1 前野隆司(2017)『ポジティブサイコロジーと日本人の幸せ』,千葉大学 公共研究,第13巻第1号,78-85貢

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板垣 暁歩

国際協力NGOルマナイサモア所属
サモアを愛する国際協力師
2020年7月よりサモアで算数・数学教育の新たなプロジェクトをスタート予定。「教育で人と世界をつなぐ」をモットーにサモアと日本の学校をつなぐプロジェクト進行中。ライターとして教育・国際協力の記事も執筆。

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